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魔除け草ー不思議な力を持つ植物”ネトル”ー

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いつの時代でも、天災や疫病から逃れて健康に暮らせることを願いました。
特に14世紀のヨーロッパは、ペストが蔓延し“魔除け”が必要とされる時代でした。

そのひとつに”魔除け草”があります。魔除け草は強い香りを持つ植物が多く、オレガノやタイム、バレリアンなどが使われました。他にセントジョンズワート、刺をもつネトル(セイヨウイラクサ)なども利用されました。

ネトルは、”(いら)草”(くさ)と呼ばれるほどで、やわらかく小さな棘の先端には、ギ酸、ヒスタミン、アセチルコリンなどの成分が含まれています。植物のアレロパシー物質です。アリやハチの毒成分であるギ酸などの有機酸が接触性皮膚炎を起こします。生薬名は「(じん)()」で、蕁麻疹は、この植物に触れてかぶれたようになることから付けられた名前です
植物が根、茎、葉、落葉などから放出し、周囲の植物や微生物の生育を抑制・促進する化学物質(アレロケミカル)

アンデルセン童話『野のはくちょう』に、魔法で白鳥になってしまった王子たちの魔法を解くために、傷だらけになりながらイラクサで服を作ったお姫様の話があります。不思議な力を持つ植物だったということです。

イラクサからとても強靱な繊維をとることができます。
このように、危険な植物であっても、魔除けに使ったり、私たちは長い歴史の中で有効に利用する方法を見いだしてきたのです。
そしてイラクサは、意外なことに食べることができます。イラクサの刺激成分は煮たり、乾燥させると消失します。北欧では、冬のネトルのスープはごちそうです。ネトルはビタミンCを含む優秀な野菜なのです。