アロマテラピー

アブソリュート(absolute)とは

アロマテラピー

一般に「精油」と言えば、水蒸気蒸留したものを指します。
芳香成分は基本的には親油性です。
芳香成分(精油)を取り出す方法としては
・水に溶けにくい性質と水蒸気をくみあわせた水蒸気蒸留法 ※蒸留とは沸点の差を利用
・油をよく溶かす揮発性有機溶剤を用いた有機溶剤抽出法 ※溶解度の差を利用
 芳香植物(ハーブ)にヘキサンなどの溶媒を接触させると、目的の成分がその溶媒相に移り分離される。大量のハーブを一度に処理でき、しかも元の植物の香りに近い香りの精油を得ることができる。

  1. 溶剤抽出
    芳香植物とヘキサン*(揮発性の溶剤)を容器に入れ、室温で攪拌し芳香成分を溶剤に移す。
    *(CH3)4CH3
  1. コンクリートの生成
    芳香植物を取り除き、溶剤を蒸発させると、芳香成分と蝋分を含んだワックス状の物質「コンクリート」が得られる。ヘキサンの沸点は約69度と低いため加熱で容易に除去できる。芳香成分の沸点は、かなり高い(α‐ピネン約155℃、リモネン176℃)。ヘキサンのみを容易に留去することができる。植物から抽出したワックス状の物質をコンクリート、樹脂等から抽出した場合、これをレジノイドと呼ぶ。
    *人体への影響; 急性中毒は,5,000ppmでめまいを感 じるほか,高濃度では眼・鼻・のど の粘膜を刺激し,麻酔作用もある。 慢性中毒では四肢の知覚障害,筋力 低下などの多発性神経障害を起こす。
  1. エタノールでの分離
    抽出したコンクリートにエタノール(エチルアルコール)を加え、芳香成分をエタノールに溶かす。
    エタノールに溶け残った蝋分や不純物を濾過して取り除く。

    4.アブソリュートの生成
    エタノールの沸点は78.3℃なので、加熱するとエタノールが先に気化する。
      芳香成分が残る。

      溶剤抽出法はアンフルラージュに代わる製法として普及したが、化学薬品を使用することで、さらなる抽出法が模索されている。